【ビジネスホテル事例】朝食における宿泊者の満足度向上と食品ロス削減を両立させる切り札とは?

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ホテルが提供するサービスとしてお客様から重要視されている「朝食」。連泊やリピート利用でも満足いただくため、メニューの多さに力を入れているホテルは少なくありません。一方で、ラインナップを増やすことで食品ロスが増加してしまうという課題も。
今回は、オリエンタルベーカリーの営業担当である堀内健司が、都内に複数の店舗を展開するビジネスホテルのご担当者様にインタビュー。全店舗でオリエンタルベーカリーのパンをご使用いただいている同ホテルに、ホテル朝食のパンにおける、お客様満足度向上と食品ロス削減の両立についてお話をうかがいました。

前回記事では、ホテル朝食におけるパンへのこだわりや決め手などについてお話をうかがいました。ぜひ、併せて御覧ください。)

今回お話をうかがった担当者のS様は、2016年より朝食の企画・運営から、清掃・施設管理まで、ホテルの後方業務を一手に担われています。
S様のいるホテルはビジネスマンが顧客のメイン層。リピーターが多いため、いかにお客様を飽きさせない魅力的な朝食を提供できるかが重要な要素となります。一方、S様はホテルの運営側として、食品ロスや業務の効率化などの視点も持ちながら日々の業務に取り組まれています。

パンのラインナップと大きさの工夫で、飽きさせない朝食に

S様のお話を伺う、オリエンタルベーカリー堀内健司

堀内:朝食のパンに求めるポイントとして、おいしさは前提となると思いますが、他にはどういったところが大事な要素となりますか?

S様:ホテル運営において、リピーターのお客様を多く持つことは安定した収益の確保につながります。そのため、毎回の朝食をいかに飽きずに満喫していただけるかという工夫が必要になります。その方策の1つとして、パンにおいてはそのバリエーションが求められていますね。オリエンタルベーカリーさんは、通常のラインナップはもちろん季節ごとのアイテムも展開されているため、シーズンに応じて様々なメニューを提供したいという私たちのニーズに応えていただけています。

堀内:我々としても、パンのラインナップは強みの1つです。毎日違う種類のパンを小ロットで納品させていただくなど、パンメーカーとしては発注面や配送面の柔軟性も大事にしています。

S様:いろんな種類のパンを楽しんでいただくという観点では、実はパンの大きさも結構大切な要素だと思います。オリエンタルベーカリーさんのパンはやや小ぶりなサイズなので、少しずついろいろな種類をお楽しみいただくことができます。小ぶりであることは他にもメリットがあり、女性やお子様も残さず召し上がることができるため食品ロスが減りました。ビュッフェはどうしても食品ロスが出やすいことが課題。そこに寄与できることは環境問題を考えるうえでも、廃棄のオペレーションを軽減するうえでも嬉しいことです。

冷凍パンの活用が、環境にも優しい経営につながる

S様:また、現在オリエンタルベーカリーさんからは焼成済みの冷凍パンを多く仕入れていますが、これも食品ロスの軽減に寄与しています。賞味期限切れで廃棄することはほとんどありませんし、提供時のロスも少ないのです。生の生地から焼成するとなると焼き上がるのに20分ほど要するため、かなり前もってパンを焼いておかなくてはなりません。見込みを誤って多く焼きすぎてしまうと当然廃棄がでますし、逆に少なすぎるとパンが焼き上がるまでお客様をお待たせしてしまいます。しかし焼成済みのパンであれば、提供スピードが早いためフレキシブルに対応ができるのです。お客様にご迷惑をおかけすることなく常においしいパンを提供できることはホテル運営にとっては大きなメリットです。

堀内:食事を提供される方々にとって、冷凍パンのメリットは大きいですね。その保管場所が課題として上げられることも多いですが、大きな冷凍庫がない現場でも冷凍パンをお使いいただけるよう、小ロットでの納品などの工夫をしています。S様のホテルにも、冷凍パンと常温パン、それぞれを一緒に納品させていただいていますね。

S様:変動するホテルの予約数に応じてこまめに発注数を変えられることは、運営の大きな助けになっています。私たちのホテルの厨房の広さにも限りがありますので在庫はあまり抱えられません。日々フレッシュなパンを配送いただけることはとてもありがたいですね。

堀内:最後に、S様のホテルの今後の展望や、オリエンタルベーカリーに期待していることなどについてお聞かせいただけますか?

S様:新型コロナウイルスの流行が収まっても、お客様が戻ってきてくださるまでには時間がかかると考えております。一方でホテル経営は今後ますますオペレーションの効率化が求められます。今後もオリエンタルベーカリーさんには当社の朝食サービスの大きな担い手として、お客様のニーズにマッチしたいろいろなメニューをご提供いただくことになると思います。
また、ホテル経営もDX化が進むと考えています。例えばお客様の志向をAI技術等を用いて「元気が出るパン」をご提供いただいたり、発注管理をさらにシステム化していただいたりということも考えられるかもしれません。とはいえ、実はすでにオリエンタルベーカリーさんのデジタル化は進んでいて、発注管理や請求書のシステムなどはとてもよくできているんです。すでにホテルの後方支援の強い味方です。

※掲載情報は2022年3月現在のものです

プロフィール

堀内 健司

株式会社オリエンタルベーカリー 東京営業所 所長代理

大学卒業後、2012年に㈱オリエンタルベーカリーへ入社。西大阪販売に配属され、配送・営業の経験を積む。現在は東京営業所にて、関東エリアを中心に新規顧客開拓を行いながら、営業所の運営や人材育成にも携わる。